ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏(2019)
上映時間:1時間53分
原題: Waiting for the Barbarians
原作: J・M・クッツェー『夷狄を待ちながら』(1980年)
制作年: 2019年 日本公開: 2021年1月29日
制作国: イタリア・アメリカ合作
Rotten Tomatoes(批評家): 54%
Filmarks: 3.2/5点

どんな人にオススメか
・ジョニー・デップの怪演を観たい人
・アラビアのロレンスを観て感銘を受けた人
・人権について考えたい人(そんな奴おらん)
感想
深すぎてわからない作品の奥行きについて
ジョニーデップの怪演を観に来たが
そこ見てる余裕のない作品だった
この作品は寓話的なもので
原作「夷狄を待ちながら」の映像作品だと言うことを知らないと
シナリオ全てがミステリーになってしまう

この原作はノーベル文学賞サッカーのクッツェーが受賞する前のもので
(彼の3作品目の小説)
白人文化の価値観が基準になっている南アフリカで執筆したもの
ケープタウンは英語が公用語になっていて
おそらく現地アフリカ人とイギリス人との関係性について物語に
することで描かれたリアリティ小説なのだろうと思った
この前提を押さえておくことでもっとこの作品の奥行きが感じられるはず
結局どんな映画なの?
帝国主義と植民地支配が迫ってきた現地の人々を描いている
「いや我々は居なくならない、この植民地を帝国は手放さないからだ」
歴史上繰り返されてきた暴力と支配の問題をテーマとしていて
蛮族と呼ばれる現地の人々に対し
非人道的な拷問や人間以下の対応をする文明人
果たしてはどちらなのだろう
という民族規模での自省が含まれた映画
結論:観て良かった
内容が重いが映像が綺麗で観ていられる
評論家からの撮影と美術面の評価が高いよ!
小道具も趣向をこらしていてグッとくるものがあった
作者のクッツェー自身が脚本をしているため
この作品に必要な部分は切り取られているはずではある
何度も観たいものではないが、何かしらの心の栄養になる作品
あとクッツェーの作品の『マイケル・K』も読んでみたいと思った
このブログについて
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